事業報告
1.総論
令和5年度は12月20日に創立50周年を迎え、法人創立50周年記念式典を11月4日(土)にホテルコンコルド浜松にて多くの来賓の皆様とともにお祝いできましたことを心より感謝を申し上げます。式典懇親会部会・記念誌部会・総務受付部会・総務会計部会等、各施設長が頭になり、取引業者をはじめとする関係者の皆様のお力をいただき完了しました。50年順調に成長が出来ましたことを大変嬉しく思っております。
令和5年度は5月に新型コロナウイルス感染症が法律上第5類に位置付けが変わったものの、入居者様・利用者様・職員の安全と予防を引き続き最優先にした一年となりました。徹底した感染予防のハード対策と感染症予防のための備蓄、職員の感染症に対する意識の共有化、利用者様本人・ご家族含めた自粛活動、面会制限のご協力等いただきながら、少しずつ徐々に国の方針に合わせていきました。
また、様々な物価高騰、人件費高騰、大企業をはじめとする世間の好景気の様相より我々福祉事業を行う事業者にとっては難しい局面を感じる年となりました。
第一種社会福祉事業の3箇所の特別養護老人ホームにおいては、コロナ蔓延時に若干の空床があったものの年間で見れば高水準を維持できております。
救護施設1施設については束縛された空間、外出禁止、面会禁止、営業見合わせが長く続いたコロナ禍による影響から空床が目立ち、入所時の施設ルールの変更を含めた施設の在り方など見直す時期が来ております。
第二種社会福祉事業の4箇所の短期入所施設、4箇所のデイサービスセンター、グループホームなどの在宅関連事業所の併設により、福祉の入口から終末への循環的支援が比較的順調に提供できており、コロナによる一時受入中止もありましたが、第一種社会福祉事業を側面で支えております。
また、2箇所のホームヘルパーステーションを運営する人員確保と管理業務、会計業務の簡素化を目指すために2つを1つに合併し、1つを衛星基地とする出張所扱いにして安定事業へと結びつけました。
公益事業におきましても、3箇所の居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション、生活支援ハウス、サービス付き高齢者向け住宅、地域包括支援センターの事業においては、要求事項の複雑化・多様化・高難易度化とともに、要介護者・要支援者に最適な支援が提供できるよう、多職種連携への期待が一層高まっております。
全国共通課題でもあります求人は、当年度より各施設より編成されたプロジェクト化したほか、多文化共生社会の構築に向け、第3陣の中国人技能実習生3名の受け入れをし三幸の園に配属されております。新たにミャンマー人・ベトナム人の特定技能者の面接も行い、推進しております。日本語習得という新たな教育設定も必須となりますが、十分業務で応えてくれていると感じております。
今後、ハード面・ソフト面の課題改善しつつ、DXを強化した効率化と生産性向上を先導し、地域の皆様方の期待と信頼に応える現代の社会福祉法人として積極的な役割を果たしてまいります。
令和5年度は短期経営計画書の最終年度でもあり、令和6年度からの5年間に向けての新たな経営計画書の策定年度でもあり、一年間掛けて試行錯誤しながら策定してまいりました。計画に基づいて執行してまいります。
2.理事会・定時評議員会の開催
決算事務をはじめ、予算/補正予算、事業計画および事業報告、法人内重要案件発生の時を見計らって必要に応じて定款に基づく理事会を開催いたしました。
また、定款に基づく定時評議員会や定款変更に伴う評議員会を開催いたしました。理事・監事・評議員・施設長・事務長の出席を賜り、ありがとうございました。
(1)第一回理事会 令和5年 5月27日(土)
内容:監事による監査報告、令和4年度事業報告、総括決算、事業所別決算、財産目録と資産変更登記、役員等報酬総額、社会福祉充実計画、理事長専決報告と理事長職務執行状況、苦情報告、理事・監事の選任案、評議員選任解任委員の選任、定時評議員会開催案、法人発生案件
(2)定時評議員会 令和5年 6月17日(土)
内容:監事による監査報告、令和4年度事業報告、総括決算、事業所別決算、財産目録と資産変更登記、役員等報酬総額、社会福祉充実計画、理事長職務執行状況、理事・監事の選任、法人発生案件
(3)第二回理事会 令和5年6月 17日(土)
内容:理事・監事の選任報告と理事長選任
(4)第三回理事会 令和5年12月 2日(土)
内容:令和5年度第一次補正予算、社会福祉施設等の指導監査実施結果、理事長専決報告と職務執行状況、定款変更、やまざきホームヘルパーステーション閉鎖と三幸の園ホームヘルパーステーションと合併、苦情報告、創立50周年記念式典開催、第2回評議員会開催案、法人発生案件
(5)第二回評議員会 令和5年12月 2日(土)
内容:定款変更、やまざきホームヘルパーステーション閉鎖と三幸の園ホームヘルパーステーションと合併、創立50周年記念式典開催
(6)第四回理事会 令和6年 3月23日(土)
内容:令和5年度最終補正予算、令和6年度事業計画、予算、令和6年度施設長選任、施設診療所医療契約、厨房給食業務委託契約、諸規程の追加改正、理事長専決と職務執行状況、山崎園介護保険運営指導結果報告、苦情報告、中国人技能実習生1号2号特定技能状況、ベトナム人特定技能1号状況、ミャンマー人特定技能1号状況、短期経営計画書、法人発生案件
3.監査の開催
各施設・事業所運営や法人運営を第三者の目で適正に監査をしていただきました。監査官の皆様の出席を賜り、誠にありがとうございました。
(1)月次会計監査 毎月一回14日頃
監査官:田中範雄公認会計士事務所
内容:令和5年度社会福祉法人三幸会各事業所 月次監査
(2)決算会計監査 令和5年4月28日(木)
監査官:田中範雄公認会計士事務所
内容:令和4年度社会福祉法人三幸会各事業所 決算監査
(3)事務処理体制向上支援業務 令和5年5月22日(月)
監査官:田中範雄公認会計士事務所
内容:令和4年度財務会計に関する事務処理体制向上支援業務
(4)監事による監査 令和5年5月24日(水)
監査官:社会福祉法人三幸会 監事
内容:令和4年度分決算 監事による監査の実施
(5)社会福祉施設等指導監査 令和5年8月8日(火)、8月22日(火)
監査官:浜松市健康福祉部福祉総務課指導監査室
内容:救護施設神ケ谷園、特別養護老人ホーム山崎園 監査の実施
4.法人内外研修会等の積極的展開
各施設内のOJT・OffJT勉強会や各種会議・委員会活動・内部研修・外部研修のほか、法人内職員の福祉サービスの質向上・人間力向上・思考力向上・内部コミュニケーション向上のために、組織的に人材への先行投資をしてまいりました。
同時に法人理念や人間力向上のための共通言語としての体系的な教育の場として、業務効率化研修WETを全職員向けにYouTube限定配信する一方で、階層毎の研修を各種設定しました。
以下は法人本部で主導してまいりました一例です。
(1)新入職員事前研修 PWT 参加:新入職員 強制参加
令和5年 4月 1日・3日 オリエンテーション
(2)新入若年職員研修 YWT 参加:新入職員・若年職員希望者 自由参加
令和5年 6月29日 仕事をする意味とは・目標設定
(3)業務効率化研修 WET 参加:職員全員 YouTube限定公開オンライン研修
令和5年 4月27日 多様な価値観との多文化共生 ホットな実体験
令和5年 7月27日 チームワーク
令和5年10月25日 ロジカルシンキング 論理的思考強化
令和6年 2月24日 人権・法令遵守・セキュリティ
(4)2年目ランチミーティング 参加:2年目新卒者・採用プロジェクト
令和5年 5月17日 2年目職員に期待すること
(5)3年目研修 GWT 参加:入職3年目前後希望者 自由参加
令和6年 3月 7日 活き活きした組織作りとあなたの役割
(6)ステップアップ研修 SUT 参加:役職者一歩手前希望者 自由参加
令和5年 7月 3日 環境整備:和久田園長
令和5年 8月29日 居宅サービスと施設サービスの専門的理解:中西園長
令和5年 9月28日 尊厳死とACP:鈴木園長
令和5年11月24日 福祉職の職業倫理:藤田園長
令和5年12月15日 人材育成:佐藤係長
令和6年 2月20日 日常生活における気づき:袴田係長
令和6年 3月11日 計画に基づく行動と振り返り:神谷事務長
(7)キャリアアップ研修 CUT 参加:新役職者希望者 自由参加
令和5年 6月 8日 役職者の役割と人事考課
令和5年 7月13日 コミュニケーション向上
令和5年 9月14日 リーダーシップ
令和5年10月12日 コーチングの基本
令和5年11月 9日 統計数字に学ぶ、同業種・異業種に学ぶ思考変革
令和5年12月14日 リスクマネジメント、経理
令和6年 1月11日 ビジョン、広報
令和6年 2月 8日 ホスピタリティ、5S
令和6年 3月14日 メンタルヘルス不調とセルフケア・ラインケア
(8)日本語教育 参加:中国人技能実習生・ベトナム人特定技能者 自由参加
日本語能力向上に向け、教材を手渡し、模擬試験⇒本試験へと支援をし、結果、第二期中国人3名全員が年度内にN2を無事パスすることができました。
・受験日:JLPT 7月2日、12月4日に向けた模擬試験
・実施日:5月29日、6月19日、9月18日、9月20日、10月16日、10月17日、11月20日、2月20日、2月22日
(9)聖隷クリストファー大学授業 参加:一年生
令和5年12月11日 チームワーク、皆さんに期待すること 同行者:三幸の園 森田未由季
5.情報発信ならびに地域交流
(1)事業計画・事業報告・財務諸表・現況報告書等の情報公開
・社会福祉法人三幸会ホームページにて事業計画承認後、即日一般公開
・社会福祉法人三幸会ホームページにて決算・事業報告承認後、即日一般公開
・各施設入口にて決算承認後、即日施設内閲覧一般公開
・社会福祉法人三幸会ホームページにて現況報告、即日一般公開
・独立行政法人福祉医療機構WAMNETにて財務諸表一般公開
・法人便りWith You 令和5年 8月号 Vol.76にて一般公開
・静岡経済研究所 静岡県会社要覧2024にて一般公開
・三幸会YouTubeチャンネルを使用した広報
(2)法人便りWith You広報誌
合計4回発行し、関係行政機関・関連取引先企業・学校等に送付しました。
・法人便りWith You 令和5年 5月号 Vol.75
・法人便りWith You 令和5年 8月号 Vol.76
・法人便りWith You 令和6年11月号 Vol.77
・法人便りWith You 令和6年 2月号 Vol.78
(3)三幸会ブログ:介護の舞台裏、Instagram、Facebookへの投稿
年代により使用する広報媒体が違うため、ブログ・Instagram・Facebook等の媒体を通じて、年間を通じて法人内を適正に広報し見える化を推進しました。
・三幸会ブログ介護の舞台裏への投稿 ・・・ 172回
・Instagramへの投稿 ・・・ 372回
・Facebookへの投稿 ・・・ 308回
(4)求人活動リクナビならびにしずキャリ・ホームページ活用・学校訪問
リクナビ2024、しずキャリ2024、ホームページエントリーシートの活用のほか、新たに組織した採用プロジェクトメンバーによる積極的な学校訪問の結果、就職担当者との人間関係強化による新卒者求人採用ができました。
また、ハローワークとの連携や法人職員からの紹介による中途者求人採用活動を行った結果、将来の三幸会を支える貴重な新卒の新入職員8名、中途職員27名の採用獲得ができました。3月からはマイナビ2025の活用により新卒者からのエントリーも増加し、今後に繋がる活動ができました。
(5)取引業者への訪問挨拶
事業計画した訪問挨拶が新型コロナウイルス蔓延防止に向け、表敬訪問できない月もありましたが、濃い取引先、行政機関、市議会議員への訪問ができました。
当年度は創立50周年記念式典もあり、個別訪問はできるだけ割愛させていただきました。
6.管理職総務会の開催
毎月一回月例化し、各施設の進捗確認と人材育成状況を確認し、早期課題解決へ進めてまいりました。50周年記念式典を企画し、推移を毎月確認しました。
また、次年度における介護報酬改定・処遇改善加算改定に向けた課題をこの時間を通じて規程改定に向け推進しました。
7.職場環境整備の推進
(1)全施設巡視
毎月一回月例化し、毎月の各施設における5S環境整備の改善を確認し、早期課題解決へ進める予定でしたが、事業計画した巡視が新型コロナウイルス蔓延防止に向けできない月がありました。
(2)改善提案
職員からの改善提案を応募し、年間合計49件の提案がされました。提案件数の多い職員については、別途理事長賞として表彰しました。
(3)ICT導入に向けた取り組み
令和5年度に人事労務を中心とした業務効率化に向けSmartHRを導入し給与を書面支給から電子化に移行しました。また、例年、年度末に行う就業規則改定に伴う印刷を廃止し、電子配信としました。福祉事業における複雑な勤怠管理の改善に向け推進してまいります。
また、松城デイサービスセンターでは送迎管理ソフトを導入して効率化を図り、居宅介護支援ではタブレットと携帯用プリンターを導入し、外出先での効率化を推進してまいりました。
8.公益的取り組みとその他
(1)社会福祉法人の使命
社会福祉法人における運営から経営への転換、経営主体間のイコールフッティング確立、SDGsへの取組が叫ばれる中、公益的取り組みを実施いたしました。
コロナ禍により常にオンラインを併用してのハイブリッド大平台健康フォーラムをはじめ、学校や自治会、行政とも連携した授業や研修等、可能なかぎりの公益的取り組みを実施し、社会福祉貢献度の高い低いはございますが、社会福祉事業・公益事業のみならず、各事業所業務の枠を飛び越えた総合的な取り組みが三幸会の存在価値を地域社会に向けて拡大認識していただけていることと考えます。
具体的内容については巻末に別添します。
(2)ユースエール認定の継続取得
2016年に厚生労働省より静岡県内5番目、全国でも119番目に認定を受けたユースエール認定ですが、令和5年度も8年連続で無事に認定を継続することができました。
(3)浜松市老人福祉施設経営者協議会
令和4年度より当協議会会長に就任のため、令和5年度も事業計画を策定し、積極的に活動を推進しました。特に、会員間の結束力強化と各法人共通の課題に対しての研修や市議会議員との情報共有の場を設定した上で、行政との意見交換の場を作り、最終的に浜松市長宛の要望書提出へと推進しました。
浜松市内の全ての福祉施設の経営安定に向け大きく前進しました。
会議開催日:4/18、4/25、7/14、8/1、8/3、10/31、1/30、2/29、3/5
(4)静岡県外国人介護人材サポートセンター事業
静岡県より委託の外国人介護人材サポートセンター事業に向け、外国人材開拓就労と雇用定着の先駆者として、静岡県内東部・中部・西部3会場において第二期中国人技能実習生:馬茵茵、王騰、黄欣月と一緒に講演を行いました。
また、施設見学会、個別訪問、個別講座を開催して他法人への聞き取り助言指導を行うなど、適正に事業の任を全うしました。令和6年度も静岡県より依頼が来た場合は適正に対応してまいります。
(5)浜松西ロータリークラブ
当クラブの会員として毎週一回の例会や奉仕活動に積極的に参画するとともに、副幹事・戦略計画委員会・記録委員会・広報委員会・ソングリーダーとして責務を全うしました。
並行して、国際ロータリー第2620地区第5グループガバナー補佐事務局次長として11クラブに定期訪問をしたり、全クラブ会長・幹事に向け会長幹事会を実施し、情報共有化に努め、一年間の任を全うしました。